「つけるべきかつけざるべきか、それが問題だ」 5/9
5月4日に放映された「ジブリがいっぱいスペシャル」では、英語版もののけ姫のタイトルが"Princess
Mononoke"に決まったとナレーターが言っていました。ところが、TVの画面に映ったタイトルは"The
Princess Mononoke"でした。いったいどっちなんでしょう? 実は、タイトルにこのTheをつけるべきか否かについて、米国のアニメファンの間ではもう一年以上も議論が続いています。 The Princess Mononokeだと「モノノケのお姫様」というニュアンスなのですが、 Princess Mononokeだと「モノノケという名前のお姫様」という事になります。(例えば、ダイアナ妃はPrincess Dianaです。) サンの名前はモノノケではありませんので、Theをつけるべきだ、と強く主張する人達がいるという訳です。 ジブリが当初使用していた英語タイトルはThe Princess Mononokeでした。もののけ姫に関する出版物でもこのタイトルが使われていますし、ディズニーや海外向け広報用に1997年に徳間が制作した英語版プロモーションフィルム(もののけ姫レーザーディスクに収録されています)でも、The Princess Mononokeでした。「ジブリがいっぱいスペシャル」の中で使用された英字ロゴは、実はこのプロモーションフィルムで使用されたものです。(このロゴしか手近になくて、間に合わせで使ったんでしょうか?) しかし、ミラマックスやディズニーはこれまで一貫してPrincess Mononokeを使用しています。もののけ姫がアカデミー賞の外国語映画部門にエントリーされた際も、ミラマックスのウェブサイトでも、ディズニーの年次報告書の中でも、Princess Mononokeです。 もちろん、映画公開までにThe Princess Mononokeか、またはまったく別のタイトルに変わる可能性もあります。(公開直前に何らかの事情でタイトルが変わった例は米国では結構あります。) 以前「ミラマックスが"The Phantom Princess"というタイトルに正式決定した」という噂が流れて、「Phantom(幽霊)とモノノケは違う」、「これだとスターウォーズ・エピソード1の副題の"The Phantom Menace"に似すぎているからよくない」、「いや、それで観客が混乱して間違って映画に来てくれればラッキーじゃないか」などど、ファンは大騒ぎでしたが、結局誤報とわかりました。 結局のところ、映画が実際に公開されるまでどんなタイトルになるかはわからない、という事なんでしょうか。 |