天空の城ラピュタ
〜Castle in the Sky〜

 


ディズニーによる米国での英語版について
  • タイトル

    英語版タイトルはCastle in the Skyとなり、「ラピュタ」が タイトルから削られています。これは、ラピュタがスペイン語のLa Puta (“淫売”あるいは社会に害毒を流すもの)からきているためです。社会風刺として「ガリバー旅行記」を書いたジョナサン・スウィフトはわざとこんなひどい名前を作中に登場する浮島につけたのですが、宮崎監督はその事をラピュタを作った当時はご存じなかったようです。

    アメリカでは中南米からの移民やその子孫、また学校でスペイン語を学ぶ人も多いため、かなりの人がスペイン語を多少なりとも理解できます。それを考えれば、“Laputa”をタイトルから削るのはやむをえないのではないかと思います。(「淫売」というタイトルのビデオを子供に買ってやる親は普通いないでしょう。)

    ただし、劇中では「ラピュタ」という単語は使われているそうです。(英語、スペイン語での発音は「ラ・プータ」に近いので、日本語風の発音なら大丈夫なのでしょうか。)


  • 公開時期/方法
2003年4月15日に米国でDVDが発売されました。
  • リジョンコード1(米国・カナダ以外では視聴不可能)、NTSC
  • ワイドスクリーン、ドルビーディジタル5.1
  • $29.99
  • 2ディスクセット
  • 日本語、英語、フランス語音声
  • 英語字幕(日本語を翻訳した字幕及び英語吹き替え版を字幕にしたものの二種類)
  • ASIN: B00005JKYG
  • 絵コンテ、ジョン・ラセターによる映画の紹介、声優の紹介、日本語版の予告編
ビデオ版も同時発売されました。
  • NTSC
  • ワイドスクリーン
  • $19.99
  • 英語音声
  • ASIN:B00005JKYF
 


ディズニーによる英語吹き替え版は2000年2月4日にニューヨーク児童映画祭でプレミア上映されました。この上映を見た人の個人的な感想がここここで読めます。

見た人たちの言を総合すると:

  • 観客に、特に子供たちに大変好評であった。
  • 新しい音楽は大変出来が良かった。
  • 吹き替え版の出来は大変良かった。特に良かったのはドーラ役のクロリス・リーチマンとムスカ役のマーク・ハミル。
  • 翻訳はオリジナルにかなり忠実なようである。

ということのようです。

尚、日本で発売されているラピュタのDVDに収録されている英語版は、以前JALの機内上映用に作られたもので、ディズニー版とは異なります。


  • 声の出演

「魔女の宅急便」や「もののけ姫」同様、「ラピュタ」にも有名俳優が多数出演しています。

 

英語吹き替え版「魔女の宅急便」の冒頭に「Castle in the Sky」の予告編が入っているのですが、それで聞いた限りではパズーの声がちょっと年を取りすぎているように思われます。これはディズニーが意図的にパズーとシータの年齢を日本語版よりも引き上げているためだそうです。


  • 音楽

「劇場公開にふさわしい音にする」ということでディズニーは久石氏に「ラピュタ」の音楽を作り直すよう依頼しました。実は「魔女の宅急便」の英語版でもかなり音楽が手直しされています。どうもアメリカ人は沈黙が苦手のようで、最初から最後まで音が鳴っていないと落ち着かないようです。「魔女の宅急便」では主にイメージアルバムからの音楽が使われましたが、「ラピュタ」では久石氏自身が昔の曲を編曲、あるいは新たにかきおこす、ということなのでどのような音楽になるか楽しみです。(オリジナル至上主義の米国アニメファンの中には「今のままでパーフェクトなのだからいじる必要はない!」と怒っている人もいますが)

久石氏のオフィシャルホームページには「ラピュタ」の音楽制作に関する日記が連載されています。

なお、NY児童映画祭で上映された英語版では、エンディングの歌は日本語のままでした。

米国版サウンドトラックアルバムは日本でも発売されています。

「Castle in the Sky 〜天空の城ラピュタ USAヴァージョン・サウンドトラック〜」
TKCA-72436
2002年10月2日発売
\2500
徳間ジャパンコミュニケーションズ

 

 

 

現存するもう一つの英語版について

「ラピュタ」にはもう一つの英語吹き替え版があり、1989年には米国で限定公開されています。この吹き替え版は日本で発売されたラピュタのDVDに収録されていますが、あまり出来がいいとは言えません。(他のアニメの吹き替え版に比べればましなほうですが)。

残念ながら当時の批評はあまり好意的なものではありませんでした。批評家達にとって最大の問題は「長すぎる」という事でした。「アニメーションは子供向け」「子供は集中力がないから1時間もじっとしていられない」という固定観念が強い米国では、2時間を超して、しかも静かなシーンも多い「ラピュタ」は「見るのに忍耐を要する映画」と受け止められました。もっともこれには吹き替え版の出来も影響していたと思われますが…

ディズニーが静かなシーンにも新たに音楽を付け加えたがったのはこういった事も影響していると思われます。幸いな事に、ディズニーの黄金パターンから外れたアニメーション映画も偏見なしで公平に見る、という態度が批評家の間でも一般化してきました。「ディズニーと違う」を「ディズニーより劣っている」に短絡的に結びつけてしまうような批評は減ってきています。ディズニー版の吹き替えについては、もっと好意的な批評が得られるのではないかと思います。

なお、この英語版は英国でTV放映され、大変好評だったそうです。

 

米国以外での公開について

ラピュタ世界公開のページ