「アニメじゃない」魔女宅(04/06/06)
米国ではAnimeとは日本製(セル)アニメーションのことを指します。これに対し、ディズニーはジブリ作品と「アニメ」の間にできるだけ距離を置こうとしました。「魔女の宅急便」の発売元であるブエナビスタホームエンターテイメント(ディズニーのビデオ販売会社)のマイケル・ジョンソン社長は、宮崎作品は「Animeではない」とインタビューなどで何度も強調しています。例えばキッドスクリーン誌のインタビューでジョンソンは、
と述べています。(これを大真面目に最高の誉め言葉だと思っているらしいところがさすがディズニーの人間だと思います。米国のアニメファンの中にはほとんど狂信的にディズニーを嫌っている人達もいて、彼らにとって「ディズニーのようだ」は最大の侮辱です。) これは、米国では「Anime」に「暴力的でエロチック」または「安物」というイメージがついて回っているためです。「Anime」は主に10代と20代前半の男性の間でカルト的な人気がありますが、それは一方である特定の妙なレッテルをアニメに貼ることになってしまいました。「Anime=18禁」と短絡的に結びつけてしまう人もいます。実際私が米国にいた当時利用していたビデオショップではすべての日本製アニメに「18歳未満貸し出し禁止」のシールが貼られていました。「カリオストロの城」や「火垂るの墓」もです。(幸いなことに「トトロ」は「ファミリー」の棚に分類されていました。) 一般の(つまりより大きな)市場を対象にしたいディズニーにとっては、「魔女宅」にこうしたレッテルを貼られることは何としても避けたいことだったのでしょう。メインターゲットである子供とその親に買ってもらうには、まず小売店に「Anime」ではなく「ファミリー」のコーナーに置いてもらわなければなりません。そのための「ディズニーのようだ」発言だったのでしょう。 |