トトロともののけ関連フランス語記事集2
(Cine Libre の画像はAndrew Osmondより頂きました。 Thanks, Andrew!)
フランスのメディア会社、Canal+のトトロのページには、フランスの様々な雑誌に載ったトトロの批評の抜粋が掲載されています:
宮崎映画は詩情と愛情の驚異であり(北野映画の作曲家である)久石譲のエレガントな音楽によって脈づいている。奥行きの深い映画であり、知的で、『となりのトトロ』のようにしばしばエコロジカルなメッセージを携え.…
(ステュディオ誌、1999年12月、P.F.)
若い観客達は、いつものハリウッド式マンガの洪水とはまた別のクオリティーのものを見いだすことになるだろう。1998年の素晴らしい"Kirikou"の後、トトロは年末のお祭りでヒーローになるかもしれない。ここにあるのは、夢と詩情へのとびっきりの招待であり、小さな子供たちを面白がらせると同時に年長者を魅惑するだろうし、それが入れ替わることもあるだろう。
(ヌーボ・シネマ誌、1999年12月、ジャン=フィリップ・ギュラン)
ルイス・キャロルの影響を受けた『となりのトトロ』は、ただただ美しい。テーマ音楽も美しさとシンプルさが心に残り、これは同じ作曲家の久石譲が『菊次郎の夏』のために作った音楽と同様である。北野の珠玉の名作や、宮崎の作品の中には悪意を排して善を為すための考え抜かれた熱意がある。(…) アニメーションという観点で言えば、クオリティは疑いようが無く、多くの風景画に満ちていて --ベルギー風のはっきりとした線で-- 動きも望みうる限り澄んでいる。言えるのは、ただただ幸福だということだけである。
(プルミエール誌、1999年12月、クリストフ・ナールボン)
エコロジーに培われた、「となりのトトロ」はこのアニメ−ションという分野が可能性を秘めていることを示している。流れるようでピュアなテクニック、シンプルで美しい演出、7歳から77歳までに理解できる分かりやすい物語、心地よくて晴朗な雰囲気、普遍的な感動、(…) 優れた古典の風格とルイス・キャロルの話の奇抜さを備えた驚くべき物語であり、暗闇に巨大なネコバスが現れ、肉食性のニヤニヤ笑いを見せるのである。
(シネリヴ誌、1999年12月、マーク・トゥレ)
ジブリの最初の映画に現れていた、発明物によせる宮崎の強い関心が思い浮かんでくる。『ラピュタ』では既知の知識からは想像出来ない生き生きとしたこまやかな形態に溢れていてた。この想像力は大きい。(…) さて、いささか奇妙な格好だが、大木の上に鳥のようにとまっているこの生き物のまん丸い姿とフサフサ毛があなたにも分かるだろう。森の精とのユニークな出会いの機会を歓迎して欲しい。今までで最高のアニメーション、トトロを歓迎しよう。
(アニメランド誌、1999年12月、イヴァン・ウェスト・ローランス)
1月8日付Agence France-Presseは、もののけ姫に関して以下の記事を掲載しました。
「プランセス・モノノケ」:アニメーション界のクロサワによる叙事絵巻
by マリー・テレス・デルブルブ
パリ、1月8日(AFP)
「日本のディズニー」もしくは「アニメーションのクロサワ」と呼ばれる宮崎駿監督は『もののけ姫』で15世紀日本の見事な環境叙事絵巻を完成し、彼の国で『タイタニック』とほぼ同数の1350万人の観客数を達成した。
日本ではアニメは子供と共に大人にも訴えかけるジャンルだが、『紅の豚』と『隣のトトロ』によって、気品あるメッセージを与えてくれたこのアニメのベテランをフランス大衆も発見した。1980年代から準備されていた彼の「もののけ」はマスコミ各紙でこぞって歓迎され、「ステュディオ」誌は傑作と評価し、「カイエ・ド・シネマ」誌は宮崎作品の最高峰としている。(訳注:「カイエ・ド・シネマ」誌は「キネマ旬報」をもう少し小難しくしたようなフランスを代表する映画評論雑誌。)
1997年に日本で公開されると、この作品はスピルバーグの『ET』や『ロスト・ワールド』の恐竜を打ち倒し、銀色の狼に育てられたこの小さな野生のプリンセスは日本の興行成績史上、『タイタニック』にとって替わられる前まではチャンピオンとなっていた。さらに海外配給権がディズニーによって買われ、配給されている。
エコロジカルで神話的な寓話である『もののけ姫』はまだ未開の国で展開し、そこは森に覆われ、人と自然の均衡は危うく、伐採と浸食と汚染が進行している。日本列島の辺境の地にエミシという平和な部族が暮らしているが、不吉な神に取り憑かれた猪の怪物に襲われる。若きプリンスのアシタカは村を守るために負傷し、呪いをかけられ、その呪詛を取り除くことの出来るシシ神を求める旅に出ることになる。
詩的で残酷な魔法
その探索の中で、若きプリンスは敵同士の二人の女性に会う。エボシ御前は中世の砦に籠もった製鉄業者の共同体、タタラ場の厳格な指導者であり、もう一人のサンは人呼んで「もののけ姫」、あるいは「化け物のプリンセス」である。
狼少女のサンはエボシ御前が溶鉱炉の火を作るために森を破壊し、人を殺す武器を作っていることを咎めている。サンのお陰でアシタカはシシ神に会いに行くのだが、人々もまたその神の超自然な力を切望しているのだった、、、
宮崎の想像世界は自然主義が刻まれているのと同時に詩的で残酷な魔法に溢れており、ファンタスティックで、いたずらな森の精や他の森の精霊、猪の怪物や不死身の狼などで満ちている。しかし、暴力と荒廃と虐殺の元で、人と自然の共存が不可能になってしまうのだ。
樅林の中を行くヤックルや狼の背に跨った激しい騎行、山の中を行く隊商、執拗で血にまみれた戦いは、北野武の音楽家でもある久石譲の音楽によって律動感が与えられている。
アルセーヌ・ルパンに着想を得た『ルパン3世』や、フランスのテレビでも放送された『ハイジ』のようなシリーズで作画監督としてキャリアを積んだ後、1984年、宮崎駿(58歳)は彼のスタジオ・ジブリを創設し、そこで5本の長編を監督している。
(記事の内容はおーたさんに訳して頂きました。おーたさんは「訳の正確さを保証しません」ということですが、ありがとうございました。)
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(画像と情報はFrederic Goetzingerから頂きました。Merci, Frederic!)